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回内と回外とは

歩行中の回内と回外による足の柔軟性と安定性の変化

回内・回外は歩くために必要な足の動きです

「回内(pronation)」という言葉を調べると、「足が内側へ倒れる悪い動き」という説明を目にすることがあります。

しかし、回内そのものは異常な動きではありません。

歩行中、足は地面から受ける力に適応するために柔軟になり、その後、身体を前へ進めるために安定性を高めます。

この働きに深く関係しているのが、

回内(pronation)
回外(supination)

です。

大切なのは「回内しているか、していないか」だけではなく、どの程度・どのタイミングで起こり、歩行の中でどのように回外へ移行しているかを見ることです。

回内と回外による歩行時の踵と足部の動き


回内(プロネーション)とは

回内は、単純に「踵が内側へ倒れること」だけを意味するものではありません。

足部では複数の関節が連動して動くため、回内は三次元的な複合運動として考えます。

歩行で足が地面に接地すると、足部は地面の状態や身体から加わる力に適応する必要があります。

その過程で適切な回内が起こることで、足は柔軟性を高め、地面から受ける力に適応しやすい状態になります。

つまり回内には、歩行時に必要な役割があります。

回内=悪い動き

ではありません。


回外(サピネーション)とは

回外も、歩行に必要な正常な足の動きです。

歩行の後半になると、足は地面から離れて身体を前へ進めなければなりません。

この段階では、接地直後のような柔軟性だけではなく、身体を支えて力を前方へ伝えるための安定性が必要になります。

そこで足部は回外方向へ移行し、より安定した状態になります。

簡単に整理すると、

回内 → 地面への適応・柔軟性

回外 → 安定性・蹴り出し

という役割の違いがあります。

ただし実際の歩行は、スイッチのように突然「回内」から「回外」へ変わるわけではありません。

歩行周期の中で連続的に変化しています。


足は「柔らかくなる」と「硬くなる」を切り替えている

足には多くの骨と関節があります。

これらが連動することで、足は一歩の中でも状態を変化させています。

地面に接地して体重を受け止めるときには、地面に適応するための柔軟性が必要です。

一方、身体を前へ進めるときには、力を効率よく伝えるための安定性が必要です。

そのため、

柔らかい足=良い足

でも、

硬い足=良い足

でもありません。

重要なのは、歩行の適切なタイミングで柔軟性と安定性を切り替えられることです。

歩行周期における回内から回外への足の変化


「過回内」と正常な回内は同じではありません

回内は必要な動きですが、回内の程度やタイミングによっては、足が十分な安定性を得にくくなる場合があります。

これが「過回内」を考えるときの重要なポイントです。

単純に、

「踵が内側へ傾いているから過回内」

と判断するだけでは十分ではありません。

見るべきなのは、

  • 回内の大きさ
  • 回内が起こるタイミング
  • 回内がどのくらい続くか
  • 回外へ適切に移行しているか
  • 前足部と後足部がどのような関係にあるか

などです。

そのため、静止した足の写真だけで歩行中の足の機能すべてを判断することはできません。

【内部リンク:過回内とは】


前足部と後足部の関係も重要です

踵の傾きだけを見ても、なぜその回内が起きているのかまでは分からないことがあります。

ここで重要になるのが、前足部と後足部の関係です。

前足部には内反・外反などの特徴があり、体重がかかったときに足がどのように地面へ適応するかに関係します。

そのため、見た目では同じように回内している二人でも、その背景にある足部の構造や代償の仕方が同じとは限りません。

「回内しているからアーチを持ち上げればよい」

と単純に考えるのではなく、前足部・後足部・関節の動きなどを含めて評価する必要があります。

【内部リンク:前足部内反・外反とは】


回内・回外は足だけで完結する動きではありません

歩行中、足は地面と身体をつないでいます。

そのため足部で起こる動きは、下腿や膝などの動きとも関係します。

足部が回内・回外すると、それに伴って下腿にも動きが生じます。

反対に、身体側の動きが足部へ影響することもあります。

だからこそ、足の痛みや負担を考えるときには、痛い場所だけを見るのではなく、歩行の中で足と身体がどのように連動しているかを見ることが重要です。


インソールは「回内を止めればよい」ものではありません

「回内があるなら、インソールで回内を止めればよい」と考えるのも適切ではありません。

回内は歩行に必要な動きだからです。

ファンクショナルオーソティックスを考える際に重要なのは、足をまったく動かなくすることではありません。

足の骨格や関節の状態、前足部と後足部の関係、歩行時の動きなどを評価し、必要な足の機能を考えながらサポートすることが重要です。

そのため、足裏の形だけを取ってインソールを作る考え方とは異なります。

【内部リンク:ファンクショナルオーソティックスとは】


回内・回外を理解したら次に知ってほしいこと

回内・回外そのものは、正常な歩行に必要な動きです。

問題を考えるときには、

どのくらい回内しているのか。
いつ回内しているのか。
いつまで回内が続いているのか。
前足部と後足部はどのような関係なのか。

まで見る必要があります。

次は、正常な回内と何が違うのかという視点から、「過回内とは」について詳しく解説します。