靴の剛性とインソール|足・オーソティックス・靴の関係
靴の剛性とインソール|足・オーソティックス・靴の関係
インソールだけで足元が決まるわけではありません
足に合わせてオーソティックスを作製しても、それを入れる靴が適していなければ、意図した働きを十分に生かしにくくなることがあります。
オーソティックスは、単独で使用するものではありません。
実際には、
足
+
オーソティックス
+
靴
という組み合わせで使用します。
例えば、踵を支える部分が極端に柔らい靴や、靴底が簡単にねじれてしまう靴では、オーソティックスを入れても靴そのものが不安定になることがあります。
反対に、靴が硬ければ硬いほど良いというわけでもありません。
重要なのは、足の状態や歩行、使用目的、オーソティックスとの組み合わせを考えて靴を見ることです。
【内部リンク:ファンクショナルオーソティックスとは】
なぜ靴にも適度な剛性が必要なのか
歩行中、足には体重だけでなく、地面からの力や身体を前方へ進めるための力が加わります。
ファンクショナルオーソティックスは、そのような荷重環境の中で使用されます。
その土台となる靴が簡単に変形してしまえば、オーソティックスが靴の中で安定しにくくなる場合があります。
ここでいう「剛性」とは、単純に靴全体が硬いという意味ではありません。
必要な部分には安定性があり、必要な部分では歩行に応じた動きができること
が重要です。
そのため靴を見るときには、デザインやクッション性だけではなく、靴の構造も確認します。
踵を支えるヒールカウンター
靴の踵周囲には、踵を包み込んで保持する部分があります。
この部分の構造は、靴の中で足を安定させるうえで重要です。
踵周囲が極端に柔らかく、手で簡単につぶれてしまうような靴では、歩行中に踵が靴の中で安定しにくくなることがあります。
特にオーソティックスを使用する場合、オーソティックスだけでなく、それを支える靴側にも踵を保持する構造が必要になります。
靴を選ぶときには、踵部分を指で押してみて、どの程度形状を保持できるかを見ることも一つの方法です。
ただし、ここでも「硬ければ硬いほど良い」という意味ではありません。
足と靴が適切にフィットし、踵を安定して保持できることが重要です。
靴底は「柔らかいほど良い」わけではありません
靴を手に取ったとき、靴底を曲げて柔らかさを確認する方もいると思います。
確かに、歩行では足趾の付け根付近を中心として足が曲がる必要があります。
しかし、靴底全体がどこでも簡単に折れ曲がれば良いわけではありません。
歩行時には、足が地面へ適応する段階と、身体を前方へ進めるために安定性を高める段階があります。
そのため靴にも、必要な部分で曲がりながら、必要な部分では足を支える構造が求められます。
「よく曲がる靴=足に良い靴」と一律に判断するのではなく、どこで、どのように曲がるのかを見ることが重要です。
【内部リンク:歩行周期と足の機能】
靴のねじれやすさも確認する
靴の前方と後方を両手で持ち、反対方向へ軽くねじると、靴底のねじれに対する強さを確認できます。
ほとんど抵抗なく大きくねじれてしまう靴と、一定の抵抗を持つ靴では、足を支える条件が異なります。
ファンクショナルオーソティックスを使用する場合にも、靴そのものが大きく変形してしまえば、オーソティックスを安定した状態で使用しにくくなることがあります。
ただし、ここでも重要なのは、
ねじれない靴ほど優れている
ということではありません。
使用目的や足の状態などに応じて、必要な安定性を考えます。
オーソティックスが靴の中で安定することが重要です
オーソティックスを使用するときには、靴の構造だけでなく、靴の内部との適合も確認します。
例えば、
- オーソティックスを入れるための十分なスペースがあるか
- 踵が靴から浮き上がらないか
- 靴の中でオーソティックスが動かないか
- 足趾が圧迫されていないか
- 靴のサイズや幅が足に合っているか
などを確認します。
もともと入っている中敷きを取り外せる靴では、オーソティックスを収めやすい場合があります。
一方、靴内部のスペースが非常に少ない場合には、オーソティックスを入れることで足が圧迫されることもあります。
そのため、オーソティックスと靴の相性を見ることもフィッティングの一部です。
【内部リンク:Superglassとは】
足に合わない靴をインソールだけで補うことはできません
オーソティックスは、どのような靴でも適切な状態に変えられるものではありません。
例えば、靴そのものが大きすぎたり小さすぎたり、足の形と靴型が大きく合っていなかったりする場合があります。
その状態をインソールだけで補おうとすると、かえって靴内部が狭くなったり、足の位置が不安定になったりすることもあります。
まず重要なのは、足に合った靴を選ぶことです。
そのうえで、必要に応じてオーソティックスを組み合わせます。
つまり、
靴の問題をすべてインソールで解決する
という考え方ではありません。
仕事で使用する靴とオーソティックスの注意点
仕事では、自分の足に合った靴を自由に選べるとは限りません。
特に、
- ゴム長靴
- 厨房靴
- 安全靴
- 作業靴
- 制服として指定された靴
などは、安全性・防水性・衛生面・耐久性など、仕事上必要な機能を優先して作られています。
そのため、一般的なウォーキングシューズやスポーツシューズと比較すると、足へのフィットや歩行時の安定性という点では条件が整いにくい場合があります。
オーソティックスを使用する場合には、こうした「仕事だから履かなければならない靴」との関係も考える必要があります。
ゴム長靴・厨房靴・安全靴は足にフィットしにくいことがあります
ゴム長靴や厨房靴などは、足を入れやすく脱ぎやすい反面、靴の中で足をしっかり固定することが難しいものがあります。
紐やベルトによる調整ができない靴では、足と靴の間に余裕が生じ、歩行中に靴の中で足が動いてしまうこともあります。
安全靴についても、つま先を保護する構造や耐久性などが優先されるため、足の形と靴内部の形状が必ずしも一致するとは限りません。
また、製品によっては、
踵の保持が弱い
足幅や甲の高さを細かく調整できない
アウターソールの屈曲位置が足と合わない
靴の中で足が前後・左右に動く
といったこともあります。
このような状態では、足に合わせて作製したオーソティックスを入れても、靴そのものが足を安定して保持できず、オーソティックスの性能を十分に生かせない場合があります。
オーソティックスを入れれば解決するとは限りません
ここは非常に重要なところです。
「足に合わない靴でも、オーソティックスを入れれば良くなる」とは限りません。
オーソティックスは靴そのものの構造を変えるものではありません。
例えば、踵が大きく動く靴にオーソティックスを入れても、ヒールカウンターによる保持が不十分であれば、踵の不安定性そのものを十分に補えないことがあります。
また、もともと内部のスペースが少ない靴にオーソティックスを追加すると、足が上へ持ち上がったり、甲や足趾が圧迫されたりする場合があります。
靴の中でオーソティックスが安定しなければ、歩行中に位置がずれることも考えられます。
つまり、靴との適合が悪い状態では、オーソティックス本来の性能を十分に発揮できないだけでなく、組み合わせによってはかえって足への負担を増やしてしまう可能性もあります。
そのため、オーソティックスを作製するときには「何を作るか」だけでなく、実際にどの靴に入れて、どのような環境で使用するのかまで確認することが重要です。
業務用の靴ほど「足+オーソティックス+靴」で考える
仕事で一日中使用する靴は、短時間だけ履く靴とは条件が異なります。
長時間の立ち仕事や歩行を伴う仕事では、足と靴の適合状態が何時間も続くことになります。
そのため業務用の靴でオーソティックスを使用する場合には、
足の構造と機能
+
オーソティックスの仕様
+
実際に仕事で使用する靴
を一つの組み合わせとして考える必要があります。
可能であれば、普段仕事で使用している靴そのものを確認し、オーソティックスを入れた状態でフィッティングを確認することが大切です。
そして、どうしても仕事上その靴を使用しなければならない場合には、靴側の制約を理解したうえで、どこまでオーソティックスの機能を生かせるのかを考える必要があります。
仕事で使用する靴では、靴だけ、オーソティックスだけを見るのではなく、「足+オーソティックス+靴+仕事内容」を一つの組み合わせとして考えることが重要です。
足・オーソティックス・靴を一緒に考える
オーソティックスだけを見ても、実際の歩行環境すべてを評価したことにはなりません。
まず、
足がどのような構造をしているのか
を評価します。
そして、
荷重するとどのように変化するのか
歩行中にどのように機能するのか
を確認します。
そのうえで必要なオーソティックスの仕様を考え、さらに実際に使用する靴との適合を確認します。
つまり、
足の構造と機能
↓
オーソティックス
↓
靴との適合
↓
立位・歩行で再確認
という流れです。
どれほど精密にオーソティックスを作製しても、それを支える靴との組み合わせが適切でなければ、その性能を十分に生かすことはできません。
反対に、靴だけを見て「この靴なら大丈夫」と判断することもできません。
大切なのは、
足・オーソティックス・靴を別々に考えないこと。
この3つを一つのシステムとして評価し、実際に立ったとき、歩いたときにどのように機能するのかを確認することが重要です。
【内部リンク:足部バイオメカニクスとは】
【内部リンク:ファンクショナルオーソティックスとは】
【内部リンク:Superglassとは】
足・オーソティックス・靴を一緒に考える
オーソティックスだけを見ても、実際の歩行環境すべてを評価したことにはなりません。
まず、
足がどのような構造をしているのか
を評価します。
そして、
荷重するとどのように変化するのか
歩行中にどのように機能するのか
を確認します。
そのうえで必要なオーソティックスを考え、さらに実際に使用する靴との適合を確認します。
つまり、
足の構造と機能
↓
オーソティックス
↓
靴との適合
↓
立位・歩行で再確認
という流れです。
足・オーソティックス・靴は、それぞれを別々に考えるのではなく、一つのシステムとして考えることが重要です。
【内部リンク:足部バイオメカニクスとは】
【内部リンク:ファンクショナルオーソティックスとは】


