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過回内とは|正常な回内との違いと足の動きを解説

後方から見た踵の傾きで過回内を示すイラスト

過回内とは

過回内(オーバープロネーション)とは、歩行中に起こる正常な回内が大きすぎたり、必要以上に長く続いたりするなど、回内の程度やタイミングが足の機能に影響している状態を考えるときに使われる言葉です。

ここで重要なのは、回内そのものは悪い動きではないということです。

歩行中、足は地面から受ける力に適応するために回内し、柔軟性を高めます。

その後、身体を前へ進める段階では安定性を高めていく必要があります。

したがって、

回内している=過回内

ではありません。

正常な回内と過回内を考えるためには、足の傾きだけではなく、歩行の中で足がいつ、どのように動いているのかを見る必要があります。

正常な回内と過回内の違いを比較した足の動き
正常な回内と過回内の違い

歩行中に踵が接地すると、足は地面から受ける力に適応していきます。

このときに起こる回内は、衝撃への適応や足の柔軟性に関係する正常な働きです。

しかし重要なのは、回内が起きること自体ではありません。

見るべきなのは、

  • 回内がどの程度起きているか
  • どのタイミングで回内しているか
  • 回内がどのくらい長く続いているか
  • 歩行後半で足が安定する方向へ移行できているか

という点です。

つまり、静止した状態で踵が少し内側へ傾いているという理由だけで、過回内と判断することはできません。

歩行という時間の流れの中で足を見ることが重要です。

【内部リンク:回内・回外とは】


過回内は「踵が内側へ倒れること」だけではありません

過回内というと、後ろから足を見て「踵が内側へ倒れている状態」をイメージすることが多いと思います。

しかし、回内は踵だけで起きる単純な動きではありません。

足部では複数の関節が連動しており、回内・回外は三次元的な複合運動として考える必要があります。

そのため、

踵だけを見る

土踏まずの高さだけを見る

足跡だけを見る

といった一つの情報だけでは、足が実際にどのように機能しているのかを十分に判断できない場合があります。

足全体の構造と動きを見ることが大切です。


なぜ過回内が起こるのか

見た目では同じような過回内に見えても、その背景が同じとは限りません。

足の動きには、

  • 後足部の状態
  • 前足部の位置関係
  • 関節の可動性
  • 足部の構造
  • 歩行時の身体の使い方
  • 靴の構造やフィッティング

など、さまざまな要素が関係します。

特に重要なのが、前足部と後足部の関係です。

前足部には内反・外反などの特徴があり、足が地面へ接地したとき、その状態に適応するために足部で代償的な動きが起こることがあります。

したがって、

「過回内だから原因も同じ」

とは限りません。

前足部と後足部の関係によって生じる代償的な回内
【内部リンク:前足部内反・外反とは】


過回内と扁平足は同じではありません

「土踏まずが低い=過回内」と考えられることがありますが、両者を単純に同じものとして扱うことはできません。

土踏まずの高さは、足を観察するための一つの情報です。

一方、回内は歩行中に起こる足の動きを含めて考えます。

静止した状態では土踏まずが低く見えても、歩行中には比較的安定している場合があります。

反対に、立っているときには大きな問題がないように見えても、歩行すると回内が大きくなる場合もあります。

そのため、

足の形

足の機能

を分けて考えることが重要です。


過回内によって身体への負担が変わることがあります

足は地面と身体をつなぐ接点です。

そのため、歩行中の足部の動きは足だけで完結するものではなく、下腿や膝などの動きとも関係します。

回内が必要以上に大きかったり、歩行後半まで長く続いたりすると、足が安定性を高めるタイミングにも影響する可能性があります。

ただし、

「過回内があれば必ず痛みが出る」

ということではありません。

足の動きだけで症状を決めつけるのではなく、身体の状態、活動量、靴、歩行などを含めて考えることが大切です。


静止した写真だけで過回内を判断しない

足を後ろから撮影すると、踵の傾きなどを確認できます。

これは足を評価する一つの方法として役立ちます。

しかし、静止画はあくまでもその瞬間の状態です。

実際の歩行では、

踵接地 → 足が地面へ適応 → 体重支持 → 足の安定 → 蹴り出し

と、足の状態が連続して変化します。

そのため過回内を考える場合も、静止した状態だけではなく、歩行中の変化を見ることが重要です。

前足部と後足部の関係によって生じる代償的な回内 立位での静的評価と歩行時の動的評価の違い


インソールは過回内を完全に止めるためのものではありません

回内は正常な歩行に必要な動きです。

そのため、

「回内しているから、インソールで動きを完全に止めればよい」

という考え方では十分ではありません。

ファンクショナルオーソティックスを考える場合には、足の骨格や関節の状態、前足部と後足部の関係、歩行時の動きなどを評価します。

そして、歩行時に必要な足の機能を考えながらサポートすることが重要になります。

単に土踏まずを高くすることや、柔らかい素材で足裏を埋めることとは考え方が異なります。

【内部リンク:ファンクショナルオーソティックスとは】


過回内を見るときは「原因」を考える

過回内という言葉だけで足を判断するのではなく、

なぜ回内が大きくなっているのか。

なぜ回内が長く続いているのか。

前足部と後足部はどのような関係なのか。

歩行後半で足は安定性を高められているのか。

というところまで考えることが重要です。

同じように見える過回内でも、その背景にある足の構造や動きは同じとは限りません。

次は、過回内を理解するうえでも重要な「前足部内反・外反とは」*について詳しく解説します。

【内部リンク:前足部内反・外反とは】