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前足部内反・外反とは|後足部との関係と足の代償

前足部内反・外反とは

 

MTJの捻じれ(ショパール関節・前足部)で比較した回外・ニュートラル・回内

足を評価するとき、踵の傾きや土踏まずの高さだけではなく、前足部と後足部の位置関係を見ることが重要です。

ここでいう前足部とは、足の前方部分、特に中足骨を含む領域を指します。

足部バイオメカニクスでは、後足部を基準に前足部がどのような位置関係にあるかを評価し、**前足部内反(forefoot varus)・前足部外反(forefoot valgus)**などの特徴を考えます。

これらは単に「足の前側が内側・外側へ曲がっている」という意味ではありません。

また、立った状態で足を上から眺めるだけで判断するものでもありません。

前足部と後足部の位置関係を評価し、それが荷重時や歩行時の足の動きにどのように関係しているかを見ることが大切です。

前足部内反と前足部外反における後足部との位置関係
ALT:前足部内反と前足部外反における後足部との位置関係


前足部と後足部を分けて考える理由

足は一枚の板のような構造ではありません。

後方には踵骨などから構成される後足部があり、その前方には中足部、さらに前足部があります。

これらの部分は複数の関節を介して連動しています。

そのため、踵が内側へ傾いているように見えても、踵そのものだけに原因があるとは限りません。

前足部の位置関係に足が適応するため、後足部を含む足全体に代償的な動きが生じることがあります。

つまり、

「踵がどうなっているか」

だけではなく、

「なぜ踵がその位置になっているのか」

まで考えることが重要です。


前足部内反とは

前足部内反では、後足部との位置関係を評価したとき、前足部が内反方向の位置関係を示します。

この状態で体重をかけると、前足部を地面へ適応させるために足部で代償が起こる場合があります。

その代償の一つとして、後足部を含む足部の回内方向への動きが関係することがあります。

ここで重要なのは、

前足部内反=必ず過回内になる

という意味ではないことです。

実際の足の動きは、関節の可動性、後足部の状態、歩行、靴など複数の条件によって変わります。

したがって、前足部内反という構造的な特徴と、歩行中に実際に起きている動きを分けて評価する必要があります。

画像②:前足部内反と荷重時の代償を示す図

前足部外反とは

前足部外反では、後足部との位置関係を評価したとき、前足部が外反方向の位置関係を示します。

前足部内反と同じように、重要なのは「外反している」という名称だけではありません。

その足が実際に体重を受けたとき、

どの部分から地面へ接触するのか

どの関節が動いて地面へ適応するのか

後足部がどのように反応するのか

を見る必要があります。

前足部外反がある場合にも、足の可動性や構造によって代償の仕方は異なります。

したがって、前足部外反という特徴だけから、歩行時の動きを一律に決めることはできません。

前足部外反と荷重時の適応を示す図


「見た目が同じ過回内」でも原因が同じとは限りません

ここが、前足部を評価する大きな理由の一つです。

後ろから二人の足を見て、どちらも踵が内側へ傾いているように見えたとします。

見た目だけなら、どちらも「過回内」と判断したくなるかもしれません。

しかし、一人は後足部の特徴が強く関係しているかもしれません。

もう一人は、前足部と後足部の位置関係に適応するために、結果として回内が大きくなっている可能性があります。

つまり、

同じように見える動きでも、その背景が同じとは限りません。

そのため、過回内という結果だけを見るのではなく、なぜその回内が起きているのかを考える必要があります。

【内部リンク:過回内とは】


前足部はショパール関節より前方の動きも含めて考える

足の前方部分は、歩行中に固定されたままではありません。

中足部を含めた関節の動きによって、前足部と後足部の位置関係も変化します。

特に、足が地面へ適応する段階と、身体を前へ進めるために安定性を高める段階では、足部の各関節が連動して働きます。

そのため前足部を評価するときにも、単に前足部だけを切り離して見るのではなく、中足部・後足部を含めた足全体の連動を考えることが重要です。


非荷重での評価と荷重時の動きは同じではありません

前足部と後足部の位置関係を確認する場合、体重をかけていない状態で足を評価することがあります。

これは足部の構造的な特徴を把握するために重要です。

しかし、それだけで歩行時の動きがすべて分かるわけではありません。

実際に立つと体重が加わり、さらに歩行すると足には連続的な力が加わります。

そのため、

非荷重での構造評価

立位での荷重評価

歩行時の動的評価

を組み合わせて考えることが重要です。

前足部と後足部を非荷重・立位・歩行で評価する違い


インソールを足裏の形だけで作らない理由

足裏の形だけを採れば、アーチの高さや足底の凹凸などを再現することはできます。

しかし、それだけでは、

前足部と後足部がどのような位置関係にあるのか

荷重するとどのような代償が起こるのか

歩行中に足がどのように動くのか

までは十分に分かりません。

ファンクショナルオーソティックスでは、足裏の形を埋めることだけではなく、足の骨格や関節、前足部と後足部の関係などを評価して、歩行時の足の機能を考えます。

だからこそ、インソールを作る前の足部評価が重要になります。

【内部リンク:ファンクショナルオーソティックスとは】


前足部内反・外反を見る意味

前足部内反・外反という言葉を覚えること自体が目的ではありません。

重要なのは、

なぜその足が回内するのか。

なぜその位置で地面へ接触するのか。

なぜ歩行中にそのような代償が起きるのか。

を考えるための手がかりにすることです。

踵だけ、土踏まずだけ、足裏の形だけを見るのではなく、前足部・後足部・関節の動き、そして歩行を組み合わせて評価することで、足の状態をより立体的に理解できます。

次は、これらの動きが一歩の中でどのような順番で起こるのか、**「歩行周期と足の機能」**について詳しく見ていきます。

【内部リンク:歩行周期と足の機能】