Superglass(スーパーグラス)とは|米国NWPLのファンクショナルオーソティックス
Superglass(スーパーグラス)とは
Superglass(スーパーグラス)は、米国 Northwest Podiatric Laboratory(NWPL)が開発した、ファンクショナルオーソティックスに使用される独自のシェル素材です。
大きな特徴は、非常に薄いシェルでありながら、足の機能を補助するために必要な剛性を持たせることができる点です。
NWPLによると、Superglassのシェルは約1.5mmという薄さで、グラスファイバー、グラファイト、エポキシ樹脂などを組み合わせた複合材料から作られています。
単に足裏を柔らかくするための中敷きではなく、足部の評価をもとに仕様を決めて製作するカスタムオーソティックスの土台となるシェルです。
【内部リンク:ファンクショナルオーソティックスとは】
なぜ薄いシェルが重要なのか
オーソティックスは靴の中で使用します。
そのため、いくら足に合わせて作られていても、厚く大きすぎれば使用できる靴が限られてしまいます。
Superglassのシェルは約1.5mmと薄く、NWPLでは靴の内部スペースが限られる用途にも対応できることを特徴の一つとしています。
ただし、
「薄い=柔らかい」
という意味ではありません。
Superglassでは薄さを保ちながら、足の状態や体格、活動内容、使用する靴などを考慮して、必要な剛性や仕様を検討します。
つまり、薄さは単なる見た目の特徴ではなく、靴の中に収めながら必要な機能を持たせるための重要な要素です。
なぜ柔らかい素材だけではないのか
インソールというと、
「柔らかいほど足に優しい」
と思われることがあります。
クッションによって衝撃や圧力を和らげることが目的であれば、柔らかい素材が適している場合もあります。
しかし、ファンクショナルオーソティックスでは、それとは異なる目的があります。
足部に荷重が加わったとき、オーソティックス自体が簡単に潰れたり大きく変形したりすると、意図した働きを維持することが難しくなります。
そのためSuperglassでは、薄さだけでなく、必要な剛性を持つシェルを土台として使用します。
重要なのは、
硬い方が優れている
ということではありません。
その人の足の状態や体格、活動内容、使用する靴などに応じて、必要な剛性を考えることが重要です。
Superglassは必要な剛性を考えて作製する
Superglassは、単に「硬いインソール」というものではありません。
薄いシェルでありながら、足の機能を補助するために必要な剛性を持たせられることが大きな特徴です。
ファンクショナルオーソティックスでは、足の状態や体格、活動内容、使用する靴などを考慮し、その人に必要な剛性や仕様を検討します。
そのため重要なのは、
「柔らかい方がよい」「硬い方がよい」と一律に考えることではありません。
足の構造や機能を評価し、その人の足にどのような仕様が必要なのかを考えることが重要です。
足の評価をしてから仕様を考える
Superglassは、既製品を靴のサイズだけで選んで入れるものではありません。
まず重要になるのが足部の評価です。
例えば、
前足部と後足部の位置関係
関節の可動性
非荷重時の足部構造
荷重したときの変化
歩行時の回内・回外
などを確認します。
さらに、実際に使用する人の体格、活動内容、使用する靴なども考慮します。
そのうえで、その足にどのような仕様が必要なのかを考えていきます。
つまり、
Superglassという素材を選ぶことよりも、その前の評価と仕様の決定が重要
なのです。
【内部リンク:足部バイオメカニクスとは】
前足部と後足部の関係も重要です
足を評価するとき、土踏まずの高さや踵の傾きだけを見るわけではありません。
前足部と後足部がどのような位置関係にあるのかも重要です。
例えば前足部に内反・外反がある場合、荷重時には地面へ適応するための代償が起こることがあります。
また、同じような足の形に見えても、関節の可動性や代償の程度が異なれば、歩行中の動きも同じとは限りません。
そのため、Superglassを作製するときにも、
「踵だけを真っすぐにする」
「土踏まずを高くする」
という単純な考え方ではなく、足部全体の構造と機能を考える必要があります。
【前足部内反・外反とは】
日本で評価・採型し、米国NWPLで製作
当院では日本で足部の評価を行い、オーソティックスを作製するための採型を行います。
その足型と必要な情報をもとに、米国ワシントン州のNorthwest Podiatric Laboratory(NWPL)でオーソティックスが製作されます。
NWPLでは、足型だけではなく、処方内容や体格、使用目的、靴などの情報も製作に利用します。
つまり、
日本で足を評価・採型
↓
必要な仕様を決定
↓
米国NWPLで製作
↓
日本でフィッティング
という流れです。
完成後は靴とのフィッティングを確認します
米国で製作されて戻ってきたら、それで終了ではありません。
実際に使用する靴へSuperglassを入れ、
靴の中に適切に収まっているか
足との適合に問題がないか
立位や歩行でどのような状態になるか
などを確認します。
オーソティックスと足だけではなく、
足 + Superglass + 靴
を一つの組み合わせとして見ることが重要です。
必要に応じてフィッティングや調整を行います。
【内部リンク:靴の剛性とインソール】
Superglassはオーバーホールしながら長く使用できる
※左画像は長期間使用し、トップカバーが劣化したSuperglass
※右画像はオーバーホール後のsuperglass(片足の例)
Superglassは、長期間の使用を想定した耐久性の高いシェルです。
ただし、オーソティックス全体が永久に同じ状態というわけではありません。
シェルより先に、表面のカバーやクッションなどが摩耗することがあります。
その場合には、状態に応じてカバーやクッション部分などを補修・交換することで、継続して使用できる場合があります。
NWPLでも、10年以上使用されたオーソティックスがリファービッシュのために送られてくる例があるとしています。
一方、シェルそのものに亀裂や摩耗、形状・機能の低下が生じた場合には、新しいオーソティックスが必要になることがあります。
したがって、
長く使える=何もせず永久に使える
という意味ではありません。
定期的に状態を確認しながら使用することが大切です。
市販のインソールとは目的が異なります
市販されているインソールにも、さまざまな優れた製品があります。
クッション性を高めるもの、靴のフィット感を調整するもの、スポーツ時の快適性を目的としたものなど、用途もさまざまです。
そのため、
市販品が悪く、Superglassが良い
という単純な比較ではありません。
大きな違いは、目的と作製方法です。
Superglassを使用したカスタムオーソティックスでは、足部を評価し、その人に必要な仕様を決めて製作します。
「何を履くか」だけではなく、
なぜその仕様が必要なのか
を考えることが重要です。
Superglassを作ることが目的ではありません
ここまでSuperglassの特徴を説明してきましたが、最も重要なのは製品そのものではありません。
足の痛みや歩行の問題があるからといって、すべての人に同じオーソティックスが必要になるわけではありません。
まず足を評価し、
どこに問題があるのか
荷重すると足がどう変化するのか
歩行中にどのような動きが起きているのか
を考える。
その結果として、ファンクショナルオーソティックスが必要であれば、その人に適した仕様を検討します。
Superglassを作ることから始めるのではなく、足を知ることから始める。
これが、オーソティックスを考えるうえで最も大切なことです。






